PMBOK 其の七：「価値実現システム」の全貌を知る！ 3つ目の要素は「ポートフォリオ」
【戦国PM講座】
～ まんがで学ぶ PMBOK プロジェクトマネジメント標準 ～
ミネアサヒの指導のもとOJTでWEBディレクションの経験を積んできた新之助は、一層のスキルアップを目指し、PMBOKに基づく「プロジェクトマネジメント標準」を学び始めた。其の五・其の六と、2回に渡って解説してきた「価値実現システム」の話は、今回で完了だ。新之助はこの章を締めくくることができるのか…？
～ プロジェクトマネジメント標準 2.1.1価値実現の構成要素 ～
今回も最初に、PMBOKにおける「ポートフォリオ」の定義を確認してみましょう。
戦略⽬標を達成するためにグループとしてマネジメントされるプロジェクト、プログラム、サブポートフォリオ、および定常業務。
＊『PMBOKガイド第7版』プロジェクトマネジメント標準 P4
つまり、いくつかのプロジェクトやプログラムなどをまとめたグループであり、ある目標を達成するためにマネジメントされているもの、ということですね。
この図でおさらいしてみましょう。
（PMBOKガイド第7版 プロジェクトマネジメント標準「図2-2.価値実現システムの例における構成要素」を元に図を作成）
ここまで学んできたことを振り返ると、プロジェクト、プログラム、ポートフォリオがあり、そこに定常業務を含めて「価値実現システム」が構成されていることがわかります。全体像を理解できましたでしょうか？
これを企業に例えて考えるなら
○ ひとつの事業がポートフォリオ
○ 事業部内の専門分野がプログラム
○ 個別の案件がプロジェクト
といった関係になります。ここに仕事の基盤を支える定常業務も加えて、利益や社会的意義という価値を生み出す「価値実現システム」となるわけです。
ポートフォリオは事業や経営の全体像に関わる概念です。すべてのプロジェクトにおいてプロジェクトマネージャーにこの視点が求められるわけではありませんが、PMBOKを学ぶ上では重要なポイントなので、特にPMPを目指す方はよく理解しておきましょう。
そうでない方にとっても、プロジェクトが「価値を実現するためのより大きなシステムの一部」であることがわかっていると、より広い視野でマネジメントをしていくことに役立つでしょう。この先、プロジェクトを推進する中で方針に迷ったときは、プログラムやポートフォリオ全体におけるプロジェクトの立ち位置を思い出してみてくださいね！
(^^♪ 次回：価値実現システムを効率的になる「情報の流れ」とは？
【出典・参考文献】
・プロジェクトマネジメント知識体系ガイド（PMBOKガイド）第7版＋プロジェクトマネジメント標準（一般社団法人 PMI 日本支部,2021.274p.）
・A Guide to the Project Management Body of Knowledge (PMBOK® Guide) – Seventh Edition and The Standard for Project Management (ENGLISH) By Project Management Institute Project Management Institute
・Project Management Institute.
・一般社団法人 PMI 日本支部
