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PMBOK 其の八:価値実現システムを機能させる「情報の流れ」とは?

【戦国PM講座】
~ まんがで学ぶ PMBOK プロジェクトマネジメント標準 ~

戦国WEBディレクション講座

ミネアサヒの指導のもとOJTでWEBディレクションの経験を積んできた新之助は、一層のスキルアップを目指し、PMBOKに基づく「プロジェクトマネジメント標準」を学び始めた。前回までに新しい概念「価値実現システム」の全貌を学んできたが、そのシステムが機能するためには“情報”の流れが重要だという…

登場人物紹介

~ プロジェクトマネジメント標準 2.1.2 情報の流れ ~

初回の接見に丸腰で挑むとは愚かなり!

ディレクターつや姫のワンポイントアドバイス

今日も殿を怒らせてしまいましたね。。。

クライアントの布陣を理解するには、価値実現システムの考え方が役立ちます。その事業がどんな価値を目指しているか、実現手段として何を必要としているのか……クライアント企業に当てはめて考えると、組織の構造が見えてくるのではないでしょうか。

その時に注目したいのが、価値実現システムの中にある「情報の流れ」です。どういうことでしょうか?PMBOKの説明を見てみましょう。


価値実現システムが最も効果的に機能するのは、すべての構成要素間で情報やフィードバックが常に共有され、このシステムが戦略に整合し環境に適応し続けているときである。
(PMBOKガイド第7版 【プロジェクトマネジメント標準】2 価値実現システム / 2.1.2 情報の流れ)

おさらいすると、価値実現システムとは組織を構築、維持、発展させることを目的とした戦路的な事業活動の集合であり、その中にはポートフォリオプログラムプロジェクト、そして定常業務といった構成要素が含まれます。

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(PMBOKガイド第7版 プロジェクトマネジメント標準「図2-2.価値実現システムの例における構成要素」を元に図を作成)

その価値実現システムを効果的に機能させるためには、構成要素間で情報やフィードバックが常に共有されていることが大事、というのが今回のお話です。

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(PMBOKガイド第7版 プロジェクトマネジメント標準「図2-3.情報の流れの例」を元に図を作成)

上の図のように、上級管理職が決定した戦略がポートフォリオへ伝えられ、そのための望ましい成果や価値がプログラムプロジェクトへ伝えられ、具体的な作業や成果物として定常業務へと流れていきます。同時に、それらの作業内容や成果・進捗が上級管理職へと流れていく、逆方向の流れもあります。システムを効果的に機能させるために、情報が血液のように循環しているというわけです。

具体例を見てみましょう。下の図はポートフォリオとしてWEB制作、アプリ開発、DXサービスを持つ組織で、DXサービスの開発・提供事業を行うプロジェクトへの情報の流れを示したものです。

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(PMBOKガイド第7版 プロジェクトマネジメント標準「図2-3.情報の流れの例」を元に図を作成)

組織全体の経営方針から個別のサービス運用業務まで、統合されたつながりの中で動いていることがわかりますね。

価値実現システムの中の「情報の流れ」がどのようなものか、イメージできましたでしょうか?

そういえば新之助さん、以前にもクライアント側からの急な変更に困らされていましたよね。

其の五十六:一度はOK、後からNG?! ディレクターに足りなかった視点とは?

クライアント組織内にも当然「価値実現システム」と「情報の流れ」が存在します。単に“他部署の横槍”と考えず、組織内の「情報の流れ」に注目して戦略を立てるのが良さそうですね!

教訓:丸腰で臨むは負けフラグ!

(^^♪ 次回:フレームワークによるガバナンスで、プロジェクトの自主自律


【出典・参考文献】
プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第7版+プロジェクトマネジメント標準(一般社団法人 PMI 日本支部,2021.274p.)
A Guide to the Project Management Body of Knowledge (PMBOK® Guide) – Seventh Edition and The Standard for Project Management (ENGLISH) By Project Management Institute Project Management Institute
Project Management Institute.
一般社団法人 PMI 日本支部


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