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PMBOK 其の三十二:チームを機能させ、より良く発展させる「合意」のあり方

【戦国PM講座】
~PMBOK から学ぶプロジェクトマネジメント標準~

戦国WEBディレクション講座

ミネアサヒの指導のもとOJTでWEBディレクションの経験を積んできた新之助は、一層のスキルアップを目指し、PMBOKに基づく「プロジェクトマネジメント標準」を学び始めた。前回からは「プロジェクトマネジメントの原理・原則」の2番目「協働的なプロジェクト・チームを構築すること」の項目に入り、チームにおける「協働」の意味を知るのだった。

登場人物紹介

~ プロジェクトマネジメント標準 3.2協働的なプロジェクト・チームを構築すること②チームの合意 ~

初回の接見に丸腰で挑むとは愚かなり!

ディレクターつや姫のワンポイントアドバイス

今日も殿を怒らせてしまいましたね。。。

前回ご説明したように、協働的なプロジェクト・チームを構築する要素として、次の3つのポイントが挙げられています。今回は「チームの合意」について詳しくご説明しましょう。

● チームの合意 ←今回はココ
● 組織構造
● プロセス

どんなに素晴らしいメンバーが集まったチームでも、各自が好き勝手に動いてはベストな成果は得られないでしょう。下手をすると、個性がぶつかり合ってチームそのものが破綻しかねません。それを束ねるのが「チームの合意」です。

PMBOKの説明を見てみましょう。

チームの合意とは、プロジェクト・チームが確立し、個人とプロジェクト・チームのコミットメントを通じて支えられる、一群の取りうる行動の範囲と作業規範を示す。
(PMBOKガイド第7版 【プロジェクトマネジメント標準】3 プロジェクトマネジメントの原理・原則 / 3.2 協働的なプロジェクト・チームを構築すること)

各自の行動範囲・作業規範を全員が合意していれば、たとえ個性の強いプロフェッショナルが集まったチームでもちゃんと機能を果たせますね。ただ、この合意は一度決めればそのままでOK、というわけではないのです。

チームの合意は、プロジェクトの開始時に形成し、プロジェクト・チームが協働し、共同作業を継続的に成功させるために必要な規範や行動を特定しながら、時間をかけて発展させるべきである。
(PMBOKガイド第7版 【プロジェクトマネジメント標準】3 プロジェクトマネジメントの原理・原則 / 3.2 協働的なプロジェクト・チームを構築すること)

最初は適切だと思って合意したことでも、一緒に作業するうちにうまく行かないことが出てきたり、もっといい方法に気付いたりするものです。異なるバックグラウンドや専門領域を持つ人たちの集まりですから、相手のことを知るうちにお互いにより良いやり方を見つけることもあるでしょう。

その時は、最初の合意を守り切ることを目指すのではなく、徐々にそのチームに合う形に適応させていくことが大切です。これまでのやり方に不都合を感じたり、より良い方法を見つけたりしたら、「チームの合意」をアップデートさせていくということですね。

新之助さんが言うようにクライアントとのコミュニケーション導線が変わることも、プロジェクトの進捗に伴って変化してきた“より良いやり方”の一つと言えるでしょう。ぜひチームの皆さんと話し合って、柔軟に発展させていきましょう。

以前、WEBディレクション講座でも合意形成の大切さを学びましたね。お客様との打ち合わせ直後にチームメンバーで作業内容を合意することで、各自が速やかに自分の役割に取り掛かることができますよ。

戦国WEBディレクション講座「其の四十三:メンバーの意識を離さない! 打ち合わせ直後のアレ

グチより合意でチームを育てよう

(^^♪ 次回:「組織構造」は組織図だけでは成り立たない?


【出典・参考文献】
プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第7版+プロジェクトマネジメント標準(一般社団法人 PMI 日本支部,2021.274p.)
A Guide to the Project Management Body of Knowledge (PMBOK® Guide) – Seventh Edition and The Standard for Project Management (ENGLISH) By Project Management Institute Project Management Institute
Project Management Institute.
一般社団法人 PMI 日本支部


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