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PMBOK 其の三十三:組織図だけでは動かない、協働的なチームに必要な“組織構造”とは?

【戦国PM講座】
~PMBOK から学ぶプロジェクトマネジメント標準~

戦国WEBディレクション講座

ミネアサヒの指導のもとOJTでWEBディレクションの経験を積んできた新之助は、一層のスキルアップを目指し、PMBOKに基づく「プロジェクトマネジメント標準」を学び始めた。前回は、「プロジェクトマネジメントの原理・原則」のうち「協働的なプロジェクト・チームを構築すること」のポイントを取り上げ、「チームの合意」は発展させるものであることを知った。

登場人物紹介

~ プロジェクトマネジメント標準 3.2協働的なプロジェクト・チームを構築すること③組織構造 ~

初回の接見に丸腰で挑むとは愚かなり!

ディレクターつや姫のワンポイントアドバイス

今日も殿を怒らせてしまいましたね。。。

前々回ご説明した協働的なプロジェクト・チームを構築する3つのポイントから、今回は「組織構造」について詳しくご説明しましょう。

チームの合意
● 組織構造 ←今回はココ
● プロセス

「組織構造」について、PMBOKでは次のように説明されています。

プロジェクト・チームは、プロジェクト作業と関連付けて個々人の作業を調整しやすくなるような構造を使用し、テーラリングし、導入する。
(PMBOKガイド第7版 【プロジェクトマネジメント標準】3 プロジェクトマネジメントの原理・原則 / 3.2 協働的なプロジェクト・チームを構築すること)

「構造」というと、新之助さんのように組織図のようなものを思い浮かべる方もいらっしゃると思います。ただ、英語版では「Structure」と表現されており、これは「構造・骨組み」といった意味と同時に「仕組み・体制・機構」などの意味もあります。今回の内容については「組織の“仕組み”」のような意味で捉えるとご理解いただきやすいと思います。

ではその協働的なプロジェクト・チームを構築するための「組織の仕組み」はどんなものなのでしょうか。具体的な例として以下の4項目が挙げられています。

① 役割と責任の定義
② 従業員とベンダーのプロジェクト・チームへの割り当て
③ 特定の目標を伴うタスクを与えられた正式な委員会
④ 特定のトピックについて定期的にレビューする立ち会議

それぞれ詳しく見ていきましょう。

① 役割と責任
組織内にどのような役割を置き、それぞれがどんな責任を負うのかを、明確に定義することです。具体的には権限、説明責任、実行責任などがあるでしょう。チームの枠組みに当たるもので、組織構造の基本と言えます。

② 割り当て
①で定義した各役割にメンバーをアサインすることです。従業員だけでなく外部パートナー、一時的な参加メンバーなども含みます。

③ 委員会
最終的な成果を見失わないために、チームの上部組織として「目標を伴うタスク」を与えられた委員会(または個人)が必要になる場合があります。プロジェクトの規模に応じて設置します。

例えばweb制作の現場では、プロジェクトメンバーだけだと「webサイトのクオリティ」に注力してしまいがちです。ここに委員会を設置することで、「webサイトが生み出す成果」というゴールを見失わないようになります。

④ 立ち会議(定例会議*)
定期的な会議を設けて進捗や問題点を共有します。コミュニケーション頻度を落とさないことがチームの調和につながります。長期間に及ぶプロジェクトでは特に必要とされます。

*英語版では「Standing meeting」と表現されており、「定例会議」の意味があります。

新之助さんがおっしゃったように、役割の定義やメンバーのアサインといった「構造」=ハード面だけでなく、委員会や定例会議などの「仕組み」=ソフト面も含めて、組織構造とは「組織の“あり方”」と考えるのが良さそうですね。

構造と仕組みがあって協働が成る

(^^♪ 次回:プロセス管理はツールを使えば完璧?


【出典・参考文献】
プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第7版+プロジェクトマネジメント標準(一般社団法人 PMI 日本支部,2021.274p.)
A Guide to the Project Management Body of Knowledge (PMBOK® Guide) – Seventh Edition and The Standard for Project Management (ENGLISH) By Project Management Institute Project Management Institute
Project Management Institute.
一般社団法人 PMI 日本支部


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