NEWS ABOUT Solution WORKS TEAM BLOG お問い合わせ JP EN

【SEO】2024年8月Google検索コアアップデートの傾向と対策 (web#001)

2024年8月Googleコアアップデート
アメリカ時間の2024年8月15日、Google サーチセントラルは、検索エンジンのアルゴリズムについて、コアアップデートをリリースした旨を投稿しました。

今回は2024年8月コアアップデートの内容と、今後の対策についてまとめています。

>> SEO対策の無料相談をする

【 目次 】

  1. コアアップデートとは
  2. 2024年8月コアアップデートの主な内容
  3. スパム対策の強化
  4. クリエイターの声を反映
  5. 小規模サイトや独立系サイトの扱いに変化
  6. 2024年8月コアアップデートの考察
  7. 今後のSEOで重視される指標
  8. 今後のSEO対策
  9. まとめ

 

 

コアアップデートとは

「コアアップデート」とは、グーグルの検索システムの変更を意味するもので、通常は年に数回行われます。
コアアップデートにより、検索順位が大幅に変動する場合があります。
前回のコアアップデートは2024年3月だったので、今回は5カ月ぶりのアップデートとなります。

Google では年に数回、検索アルゴリズムとシステムに重要かつ大規模な変更を加えています。 このような変更を「コア アップデート」と呼んでおり、変更があった場合は、Google 検索のランキング アルゴリズムのアップデート履歴のリストに掲載しています。 コア アップデートは、全体として、有用で信頼できる結果を検索ユーザーに提供するという Google の使命を果たすことを目的としています。このページでは、コア アップデートの仕組みと、コンテンツの評価と改善の方法について説明します。
Google 検索セントラル

コアアップデートの通知は「 Google Search Central 」の X(旧ツイッター)で、アメリカ時間の2024年8月15日に投稿されました。


今回のアップデートの進捗は「Google Search Status Dashboard」で確認できます。

2024/08 Google Search Status Dashboard
このダッシュボードを見ると、アップデートの完了には1ヶ月かかる可能性があると記されています。

通常のコアアップデートは2週間程度なので、今回は規模の大きな変更のようです。

The rollout may take up to a month to complete.
(Google Search Status Dashboard)

 

 

2024年8月コアアップデートの主な内容

X の投稿からリンクされている「 Google Search Central Blog 」の英語版には、今回のコアアップデートの詳細が記されています。

ここでは今回のコアアップデートについて、「検索でのパフォーマンス向上のためだけに作成されたようなコンテンツを減らし、ユーザーが本当に役立つと感じるコンテンツを増やすことで、検索結果の品質を向上させる取り組み」と表現しています。

This update is designed to continue our work to improve the quality of our search results by showing more content that people find genuinely useful and less content that feels like it was made just to perform well on Search.
(Google Search Central Blog)

また、過去数か月間に一部のクリエイターやその他の方から寄せられたフィードバックが考慮されていると述べているのも、今回のコアアップデートの特徴です。

This latest update takes into account the feedback we’ve heard from some creators and others over the past few months.
(Google Search Central Blog)

 

 

スパム対策の強化

Google が「検索でのパフォーマンス向上のためだけに作成されたようなコンテンツ」を減らすといった言い回しをする際は、ユーザーを無視してテクニカルな SEO 対策で検索上位を狙う行為(ブラックハットSEOと呼ばれます)に対しての「スパム対策」を強化することを意味します。

これは2023年に実施された「ヘルプフルコンテンツアップデート」の流れで、ここで使用されている「ヘルプフル コンテンツ システム」という検索ランキングシステムは、以下のことを指します。

ヘルプフル コンテンツ システムは、検索エンジンのトラフィックを集めることを主な目的として作成されたコンテンツではなく、人間が人間のために作成した、独自性の高い有益なコンテンツが検索結果で表示されるようにするために設計されたシステムです。
Google 検索セントラル

またヘルプフルコンテンツアップデートに続き、2024年3月のコアアップデートでは、以下のような「スパムに関する新しいポリシー」が追加されました。

・期限切れドメインの不正使用
検索上位表示のために、信頼性の高い中古ドメインを購入して、関連性のないサイトで利用する行為等がスパム対象とされました。
具体的な例としては、信頼性の高い医療サイトのドメインを購入して、低品質のカジノ関連のサイトで利用するといった行為です。
これにより、中古ドメインを不正利用したサイトの検索順位が大幅に下落しました。

・大量生成されたコンテンツの不正使用
検索ランキング上位表示を目的に、品質の低いコンテンツを大量生成することが、スパムとされました。
これにより、 AI で大量生成した低品質なサイトの検索順位が大幅に下落しました。

・サイトの評判の不正使用
これは「サブドメイン貸し」と言われる行為で、企業など信頼性の高いサイトのサブドメインを借りて、その企業とは関係のないコンテンツを展開することで、検索上位を狙うSEO対策がスパムとされました。
これにより、「サブドメイン貸し」を利用したサイトの検索順位が大幅に下落しました。

これらのようなスパム対策が今回のアップデートでさらに強化されるか、アルゴリズムに変更が加えられた可能性があります。

>> SEO対策の無料相談をする
 

 

クリエイターの声を反映

今回のコアアップデートで特徴的なのは、「過去数か月間に一部のクリエイターやその他の方から寄せられたフィードバックが考慮されている」という点です。

実際、グーグルはクリエイターとのミーティングの機会を作っていました。


上記の X を投稿した、レトロゲームのメディア「 Retro Dodo 」を運営する Brandon Saltalamacchia 氏(以下ブランドン氏)も Google 本社に招かれて Danny Sullivan 氏(以下ダニー氏)とディスカッションしたことをブログに投稿しています。

A Brief Meeting With Google After The Apocalypse

ブランドン氏が運営するレトロゲームのメディアは、2023年9月に実施されたコアアップデート(ヘルプフルコンテンツアップデート)後に、サイトへの流入が壊滅的な状況となり、編集長1名を除くチーム全員を解雇することになったとのことです。

現在でも90%の赤字が続いており、Retro Dodo を存続させるためにまだ損失を出し続けている状況のようです。

Google社のダニー氏が、ブランドン氏とのディスカッションの中で「私たち( Google )は完璧ではありません。そして、それを修正しようとしています」と言ったようですが、まさにこの「完璧ではない」部分が原因で、ブランドン氏の運営する Retro Dodo が、ヘルプフルコンテンツアップデートの犠牲になってしまったのかもしれません。

ディスカッションでは、ダニー氏から、「クリエイターをより良くサポートするにはどうすればよいか」について質問されたようです。

また Retro Dodo のブランドン氏は、ダニー氏から「頑張って今やっていることを続ける」ように言われ、「素晴らしい Webサイトを構築している」ブランドン氏らが、「今後数カ月で回復の兆しを見られることを期待している」と伝えられたようです。

これは「 Google Search’s core updates and your website 」のページに記載されている内容と一致しています。

「 Google Search’s core updates and your website 」には、「長期的にはサイト全体が役立つ、信頼できる、ユーザー中心のコンテンツを作成していることをシステムが学習して確認するまでに数か月かかることもある。」と書かれています。

If you’ve made improvements, it may take time to see an effect in Search results: some changes can take effect in a few days, but it could take several months for our systems to learn and confirm that the site as a whole is now producing helpful, reliable, people-first content in the long term. If it’s been a few months and you still haven’t seen any effect, that could mean waiting until the next core update.

小規模サイトや独立系サイトでも、サイト全体が役立つ、信頼できる、ユーザー中心のコンテンツを作成していることをシステムが学習し、こういったサイトが数か月後には回復され上位表示されるようなアルゴリズム改善が実施されている、トライされているということは間違いなさそうです。
 

 

小規模サイトや独立系サイトの扱いに変化

前項のレトロゲームのメディア “Retro Dodo” という独立系のメディアが壊滅的な影響を受けた例がありましたが、「 What to know about our August 2024 core update 」のページにも、こういったケースに対応しようという趣旨が述べられていました。

具体的には「ユーザーの検索内容に関連性がある場合、有用で独自のコンテンツを作成している小規模サイトや独立系サイトを含む、さまざまな高品質サイトとユーザーを結び付けることを目標としている」という旨が記されています。

As always, we aim to connect people with a range of high quality sites, including small or independent sites that are creating useful, original content, when relevant to users’ searches.

ダニー氏のブログ記事でも、「このままではコンテンツにまったく関心のない、機械や巨大メディアに Google が所有され、AIによって大量生産されたごみの山になってしまう」ということをほのめかしています。

This is a role I genuinely believe Google needs if they want to stop their search from becoming a mass-AI produced pile of garbage, owned by machines and large media conglomerates that have no care for the content that is being produced.

ダニー氏に限らず、多くのクリエイターや SEO 研究者からも、「大企業やドメインパワーの強いサイトでないと、どんなに良いコンテンツを作っても上位表示されない」という不満が出ていました。

今回のコアアップデートを機に、そういった声を聴いて、Google の検索アルゴリズムが民主化の方向に動くよう試みているのでしょう。

また、この「小規模サイトや独立系サイト」への対応については、今後のアップデートでも引き続き取り組むとしています。

This is an area we’ll continue to address in future updates. This update also aims to better capture improvements that sites may have made, so we can continue to show the best of the web.

これは確かに、1回のアップデートでできる単純なアルゴリズムではないでしょう。

昨今のアップデートでは、前述のとおり大企業やドメインパワーの強いサイトを「権威性」のあるサイトとして、「信頼できるサイト」であることを担保する重要な指標であるとされてきた傾向があります。

小規模サイトや独立系サイトは、大企業や大手メディアから比べると「権威性」の指標が低いと思われるので、権威性が高くないサイトの中から、信頼性があり、ユーザーが役立つと感じるコンテンツを見つけ出すには、人間に近いような、かなり高度で洗練されたアルゴリズムが必要です。
 

 

2024年8月コアアップデートの考察

今回のアップデートから考察できることはいくつかあります。

中でも「小規模サイトや独立系サイト」で、ユーザーが役立つと感じるコンテンツが上位表示されるような変更が試みられているところが、キーになってくるでしょう。

Google の品質評価ガイドラインには「E-E-A-T」というコンセプトがあります。

E-E-A-T にはそれぞれ以下の意味があります。

・Experience:経験
・Expertise:専門性
・Authoritativeness:権威性
・Trustworthiness:信頼性

これら E-E-A-T は、記事のランキングを上げるには重要な要素で、 Google 検索セントラルでは以下のように説明しています。

Google の自動システムは、さまざまな要因に基づいて優れたコンテンツをランク付けするように設計されています。関連するコンテンツを特定した後、最も役に立つと判断されたコンテンツに高い優先順位を付けます。そのために、どのコンテンツが、エクスペリエンス(Experience)、高い専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)、すなわち E-E-A-T の面で優れているかを判断するための要素の組み合わせを特定します。

その中で最近の傾向、特に “Retro Dodo” も壊滅的な影響を受けた2023年9月のヘルプフルコンテンツアップデート以降は、「Authoritativeness:権威性」が重視されるようになった傾向があります。

このヘルプフルコンテンツアップデートで、大企業や大手メディアなど、高い知名度を持つ存在が圧倒的に有利となったことで、 “Retro Dodo” のような「小規模サイトや独立系サイト」が打撃を受けたと考えられます。

E-E-A-T が今後も重視されることは間違いありませんが、そのバランスが少し変わることは考えられます。
 

 

今後のSEOで重視される指標

前述のように、今後のコアアップデートで取り組むべき分野として、以下のことがあげられています。

ユーザーの検索内容に関連性がある場合、有用で独自のコンテンツを作成している小規模サイトや独立系サイトを含む、さまざまな高品質サイトとユーザーを結び付ける

この文脈から考えると、今後は以下の項目がより重視されると推測できます。

①Expertise:専門性

②ユーザー行動

③Experience:経験

その理由について、一つひとつ説明します。

①Expertise:専門性
権威性をあまりにも重視しすぎると、その時点で「小規模サイトや独立系サイト」は大企業や大手メディアに太刀打ちできません。

しかし、小規模サイトでも「専門性」を高くすることは可能です。
また、専門性が高いサイトはユーザーにも役立つと感じられるでしょう。

②ユーザー行動
E-E-A-T には入っておらず、「ユーザー行動」を検索ランキングに反映していることは、 Google も正式に認めていません。
しかし、2024年5月の検索アルゴリズム情報漏洩で、クリックシグナルに特化されたモジュールが存在することがわかっています。

具体的なモジュールの種類として、「goodClicks」「badClicks」「lastLongestClicks」その他のクリックシグナルが存在することがわかっています。

このことから、ユーザーが検索結果からサイトに来てすぐに離脱してしまうのか、きちんと記事を読んでいるのかといったユーザー行動が、検索ランキングに影響を与えていると推察できます。

ユーザーの行動は、サイトや運営会社の規模の大小に必ずしも依存しませんので、益々重視される可能性があります。

③Experience:経験
生成AIで優れた記事を書くことはできますが、実体のない AI は「経験」することができません。AIで大量生成するコンテンツには、人間が手を加えない限り、経験やオリジナル性の要素を加えるのは難しいでしょう。

2022年12月に、それまで「E-A-T」だった品質評価コンセプトに「経験(experience)」を意味する「E」が加わりました。

これはちょうど ChatGPT などの生成AIが台頭して、Google が「コードレッド(緊急事態)」を宣言した時期とも重なります。

人間を介さずに AI で大量生成されたコンテンツと、クリエイターが情熱をもって創り上げたコンテンツを区別するためにも、「経験」や「オリジナリティ」は、より重視されるようになるでしょう。
 

 

今後のSEO対策

ここからは、前項で述べた、今後重視されると思われる以下3点について、それぞれの対策をまとめます。

①Expertise:専門性

②ユーザー行動

③Experience:経験

①Expertise:専門性への対策
サイトの専門性を高めるためには、サイト設計の時点でコンセプトを明確にすることが重要です。

何に専門性を持ったサイトを作るのか」、「何の専門家として記事を作成してゆくのか」という指針を明確にしましょう。

思いつくままに記事を作っていては、 Google から見て何に専門性を持ったサイトなのかが曖昧になります。

サイトのコンセプトを固めて、それを意識して記事を作成しましょう。

②ユーザー行動への対策
ユーザー行動といえば、検索結果からのクリックも重要な指標ですが、クリックした後、きちんと記事を読んでいるのか、記事を読まずにすぐに離脱して、検索結果ページに戻ってしまうのかといったところまで、意識する必要があります。

まず、クリックしてもらうには、 ユーザーの検索意図を理解したうえで、ユーザーがクリックしたくなるタイトルを作る ことが大切です。

クリックした後は、コンテンツのクオリティは言うまでもなく大切ですが、それでけでなく UX へも配慮する 必要があります。
ユーザーがストレスなく記事を読めるようなレイアウト、行間、また、他の記事に回遊したくなるような構造もデザインしましょう。

③Experience:経験への対策
コンテンツのオリジナル性を重視する必要があります。

実際に商品を利用した 経験 やその場に行った 体験 、AI では生成できない、あなた 独自の視点顧客・ユーザーの声 などをコンテンツに盛り込むことが大切です。

また、著者に実体性を持たせるために、記事とその著者情報を結び付けておくことも大切です。著者の出版物や実績なども掲載できれば、権威性にも好影響を与えることができます。

AI による大量生成では作れないコンテンツを意識しましょう。
 

 

まとめ

2024年8月のコアアップデートの傾向と対策」はいかがでしたでしょうか。

グーグルの検索アルゴリズムが「ユーザーが役立つと感じるコンテンツ」を重視する姿勢は、今後も変わらないでしょう。

しかし、ただひたすらユーザーの役に立つためにコンテンツを書き続けても、なかなか検索上位にランクインできないのが現実です。

それは、グーグルの当事者であるダニー・サリバン氏が言っているように、 Google の検索アルゴリズムは「完ぺきではない」ので、今の段階では Google に良いコンテンツだと気づかせてあげるための施策 が必要になってきます。

それが「現在のSEO対策」といえるでしょう。

そこで重要になるのが、キーワード選定、コンテンツ設計、内部施策などです。

SEO対策 やコンテンツマーケティングでお悩みがあれば、お気軽に無料相談にお申込みください
 

 


【出典・参考文献】

・Google 検索セントラル : Google 検索のコア アップデートとウェブサイト

・Google Search Status Dashboard : August 2024 core update

・Google Search Central Blog : What to know about our August 2024 core update

・Google 検索セントラル : 2024 年 3 月のコア アップデートとスパムに関する新しいポリシーについてウェブ クリエイターが知っておくべきこと

・Brandon Saltalamacchia : A Brief Meeting With Google After The Apocalypse

・Google 検索セントラル : 品質評価ガイドラインの最新情報: E-A-T に Experience の E を追加

・Google 検索セントラル : 有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成

・iPULLRANK:Secrets from the Algorithm: Google Search’s Internal Engineering Documentation Has Leaked